春を感じる午後のひととき、アフタヌーンテイー

あるパーティーで偶然、久し振りに会った年上のマダムのお宅のアフタヌーンテイーに
御招待を頂きました。
彼女のお年ははっきりわからないが、多分70代後半。
初めて知り合ったのは15年以上前の事。
メジャーな政治記者だったご主人はその頃は既に定年退職されていたと思う。

当日、ちょっとしたゴタゴタに出くわし、予定の時間から30分程遅れた私を
扉口で出迎えてくださったご主人は
とても背の高いロマンスグレーのジェントルマン。
白いシャツにネクタイ、明るい紺色のダブルブレストのブレザーにグレーのズボン
、美しく磨かれ手入れの行き届いた靴。

女性だけのお茶の時間だったので、この日の御主人はエスコート役。
私を出迎えてくださった後はご自分の書斎に引き込まれました。

私を含めて8人。
多分私は2番目に若い方に属したと思う熟練度高いマダム達。
中でも、もうひとりのマダムはやはり15年以上前からの知り合いで
80歳になられたと…。
初対面の頃から全く変わらず、髪型は夜会。目線が真っ直ぐ、背筋がピンとして話をする口調も変わらない。
常に前向きで彼女の口から愚痴は聞いたことが無い。毎週ヨガに通っているというし
春になればサイクリングもするという。

そんなマダム達に混じって、初対面、顔見知り、も含め楽しいお喋りが続きました。

近頃の政治の話だったり、お菓子の話だったり、皆が持っている毛皮のコートをこれからどうするべきか?とか、女性の活動について…エトセトラ…。

少し前まではある階層のヨーロッパの女性のマストアイテムだった
毛皮のロングコート。
最近では毛皮を着ていると襲われる可能性もあり、公共の場所には着て行き難い。
何か良いアイデアは無いかと誰かが話し始める。
毛皮を裏に、表をウールやシルクで仕立て直して着ると素敵、と別のマダムが提案。
ミンクの半コートをベストに直してコートの下に着れば冬のオペラ鑑賞時にベスト着用のまま着れて暖かいとお向かいの席のマダム。皆、同じような事を考える。

この日のテーブルアレンジメントはとても春らしく、あちこちにラベンダー色、が目に付いて、お皿やコーヒーカップも可憐な色合いで銀食器と共に私達の気持を春に導いているようでした。
春を感じる午後のひととき、アフタヌーンテイー_f0380954_18114605.jpeg
私が最後だったのでマダム達がお帰りになってから
了解を得てテーブルの写真を撮りました。
春を感じる午後のひととき、アフタヌーンテイー_f0380954_18124758.jpeg



中央に飾られた小さなお人形達はドイツとチェコの国境近くの地域で作られているそうで、ドイツ系の彼女はクリスマスの時はとてもたくさんのコレクションで部屋を飾ります。
あまりにも可愛いお人形なので
この春に訪れてみたい地のひとつになりました。

春を感じる午後のひととき、アフタヌーンテイー_f0380954_18121933.jpeg
春を感じる午後のひととき、アフタヌーンテイー_f0380954_18103864.jpeg



Commented by alfa2019y at 2020-02-19 23:09
あのね、昔々、今みたいに左前でない頃です。
あ、絵に描いた餅になってしまったのですが・・
奥さんに、奇しくも内側が毛皮で外が綿(或いは綿風)のコートを、と思ったことがありました。
そう、表が薄ベージュの綿で。
もし実現していたらメチャ洒落が効いていたかも?

>ドイツ系の彼女は・・
ミセス・シュワルツ?
ローゼンバーグ?
シュミット?
いやいや、多過ぎて当たる訳ないですよねぇ。
Commented by Diary-17 at 2020-02-19 23:25
> alfa2019yさん
コメントありがとうございます。
昔は教会がとても寒くて長いミサには凍えたそうです。
司教のマントは裏側に毛皮が使われていました。
裏地を洒落るのは江戸時代の商人の粋でしたね。

ミセス シュワルツは黒夫人、ローゼンバーグは薔薇山さん、シュミットは石を投げれば必ず誰かに当たる名前ですね。
Commented by alfa2019y at 2020-02-20 06:44
ウラジーミル・シャレスキー
あ、いや、これはロシア系?
ベタでした。
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 06:50
> alfa2019yさん!
つまらぬ洒落は座布団取り上げます。😠
Commented at 2020-02-20 06:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 07:01
> alfa2019yさん
シュバルツバルドのことかしら?黒い森?
Commented by alfa2019y at 2020-02-20 07:01
途中送信、失礼しました。
シュミツトはストーン?
ローゼンバーグはローズ。
スマホは使い難い・・
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 07:11
Alfaさん
石を投げれば必ず誰か(シュミッド)に当たるほどポピュラーな苗字と言う意味です。
時差の為、この辺で失礼します。
Commented by kuukau at 2020-02-20 07:32
数年前のクリスマスシーズンにパリでオペラ鑑賞した時に、前席のマダムが素敵な毛皮のジレ(でいいのかしら?襟なし、袖なしのちゃんちゃんこ風)をノースリーブのワンピースに羽織ってらした。
金髪によくお似合いで目を奪われました。
娘には私のミンクを七分袖にして丈の短い半コートに直したのを持たせてます。ロンググローブと一緒に使っているようです。冬のフォーマルなパーティ用です。
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 09:34
> kuukauさん
コメントありがとうございます。
毛皮を扱うと直ちに批判されたり、攻撃対象になるのでメゾンのイメージに傷が付かぬ様
毛皮をやめたところが多い昨今です。
しかし、既に持っている毛皮を捨てるわけにも行きませんし、上手く活用できたらと思います。
今年は暖冬で毛皮の出番もあまりありませんが、極寒の地では身体を温かく守ってくれる
そして美しい素材だと思います。
Commented by sonoma0511 at 2020-02-20 11:24
そんなに、毛皮が目の敵にされるのでしょうか?
お金持ちの象徴ってイメージを持つ方の、偏見?でもないのでしょうか?
以前にも、コメントをしましたが、綿や化繊以外の衣類や、靴、バッグは皆さん
持っていますよね。同じことだと思いますが。

私は、商品化されたものを購入してなぜ悪い?と思いますが。程度ものでしょうが。
折角お持ちの物。マダムはTPOを考えてお召しになるのでしょうから、ドレスアップ
や防寒にさりげなく纏って下さい。
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 12:05
> sonoma0511さん
コメントありがとうございます。
法律や規定に反した方法で狩猟され毛皮にされた物は購入すべきでは無いと思いますが、
毛皮を着ることが違法では無いので、私情を絡めて見も知らぬ他人に攻撃的になったり批判することはとても子供じみていると思います。そのくせ、レアに焼かれた半生のステーキなど食べていたり…。人を批判するにはよほどの筋道が通っていて裏ずけが必要ですが、それも無く
単に攻撃する世の中の流れは、色々な意味で危険な傾向だと思います。
ある有名デザイナーのバッグや靴が合皮でそれらをビーガンレザーと呼んでいて苦笑しました。
それでいて高価、結局はプラスティックです。それこそ環境に悪いですネ。
Commented at 2020-02-20 13:22
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by cenepaseri at 2020-02-20 13:36
ワールドニュースで洗濯の際にポリエステルの服から出る
マイクロファイバー汚染の話も出ていて、ポリエステルは
確かに問題が有ると思います。
綿や麻、ウールなど自然な物が良いと思います。
毛皮は本当に難しい問題ですね、皮も毛皮も同じだと思うのですが。
ハラコはお腹の中の子供や生まれたての子供の毛なので、
知っていたけど…もう買わないとは思っていますが。
Commented by kimagurebetty at 2020-02-20 18:26
今晩は!
ロマンスグレーの紳士が出迎えてくれて、
素敵な調度品の数々の並んだテーブルで、
お茶やお菓子、お話も弾むことでしょう。
素敵な写真を拝見させて頂きました。

今日は、冷凍庫にストックしておいた
ブルーベリーと、鮎を差し上げたら、
お重箱にいっぱいの混ぜご飯を頂きました。
厚焼き玉子と、お刺身の夕食です。
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 19:16
> 鍵コメさん
そちらへ💙
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 19:39
> cenepaseriさん
ひとつ批判し出したら実はひとつだけに止まりません。
動物が可哀想なら、食べることも出来ません。例えばこちらでレポートされたのは、食肉、鶏の扱い方で例えば雛が卵から孵った瞬間牡牝分けて雄はシュレッダーにかけられてしまうそうです。鶏をオートメ化で消費者の手元に行くまでをTVで見たことがありますが食指を失います。
服作りを業いとしている人達も毛皮を止めると言うなら化繊も使わず、ポリの包装もやめて欲しいです。アフリカの貧しい国でさえも政府がプラスティックを禁止し始めました。飛行機内で
その国に着陸する前に機内アナウンスがありプラスティックの手提げ袋など持って入国できないんです。素晴らしい決断だと思います。
ブログの話題が環境問題に発展してしまいました〜。
Commented by Diary-17 at 2020-02-20 19:52
> kimagurebettyさん
コメントありがとうございます。

皆さん、先輩のマダム達ですが単なるお婆さんの集まりでないところが素晴らしいです。
あそこが痛い此処が痛いなどの会話は出ませんし孫の話すらも出ません。
社交上手ですし生涯現役を進んでいるようです。見習いたいと思います。

鮎の季節なのですね。自然の苔を食べている鮎は味が格別でしょうね。
ずーっと昔、川釣りで頂いた自然のイワナがこんなに美味しいとはと感激した事を思い出されます。
混ぜご飯、良いですね〜。
昨夜、私も本鮪が手に入り、お刺身をいただきました。
Commented by waremokomm at 2020-02-20 23:18
素敵な大人のマダムたちの様子が伝わっています。
美しく、エレガントに・・とても大切ですよね。
良い方々とのお出会いは素晴らしですね。
流石・・フランスの社交界・・。
大人です。。
その場にいらっしゃるダイアリーさん・・素敵。。
Commented by Diary-17 at 2020-02-21 02:35
> waremokommさん
コメントありがとうございます。
大先輩のマダムの皆さんから学ぶことが沢山あります。
勿論、様々な人がいますが、素敵な人には自然と吸い寄せられて行く様です。
ブログの世界も同じ、アナベルさん、そして皆さんから学ばせていただいています。


名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by Diary-17 | 2020-02-19 19:13 | テーブルコーディネート | Comments(20)

日々の覚え書き衣食住


by Diary-17
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30