真夜の訪問者

毎晩静まりかえった深夜に

バスタイムを楽しんでいる

音楽も聴かず

聞こえるのは

窓の外からの風の音

そしてバスタブの水の音

羊歯の香りのバスバブルでリラックス

数日前のこと

バスタブに浸かって

脚を伸ばし仰向けになって眼を閉じていると

少し開けている窓の外から

何やら聞こえて来る

耳をすませば

「ホッホッホー、ホッホッホー」

フクロウの声

去年の今頃も

バスタブに浸かりながら聞いていた記憶がある

梟は夜行性で

夜になると自分の縄張りを示したり

パートナーを探す為に鳴くのだそう

澄んだ空気の

夜空に響くフクロウの声を独り占め

なんて幸運なのだろう

「出来る事なら梟にパートナーが直ぐに見つかりません様に」

などと

自分勝手な御願い事を

窓から覗いた夜空に向かって呟いてみた